色恋無罪〜Tの性愛をめぐるいくつかの断章(1)
※CASE 1
品川のタワーマンションの高層階。大きな窓からはビルの灯りがちらつくのが見える。
男は缶ビールをテーブルの上に置いたかと思うと、ソファにもたれていたわたしの膝の裏と背中に手を差し入れ、缶ビールを持ったままのわたしを抱き上げた。高身長が自慢のわたしはなかなか『お姫様だっこ』はされないのだが、この大男は軽々と裸のわたしを持ち上げた。
「本当は一週間貸し切りたいんだがな。そしたら……」と男はわたしの耳に囁いた。
思わず、身体が熱くなってしまった。
いや、表現は正確に……。
勃起してしまった。
わたしの、いつかは切断されるはずの、それ、は、商売上の必要から無毛にしてあるので、硬くなるとすぐにバレてしまう。
男は好色そうな笑みを浮かべ、そして、わたしの身体をベッドに放り投げる。
………
〜〜はい、カットォ〜!!!
??「セックス時にペニス勃起させておいて、勃起ペニスを変態ホモ野郎へのセックスアピールに使いやがってなーにが『心が女』じゃ」
黒井「うるせえ黙れ。あるもん使って何が悪い。あとな、当人たちが合意してるセックスに口挟むなや」
??「じゃあ、『レズビアンバーでビアンのシス女性に言い寄って断られたら差別だと騒ぐMtF』はどうなんだ?」
黒井「(またその話かよ、と呆れた顔で)まあ、そいつはクソだ。本当にいるならな。だがクソは男女ホモレズ関係なくいる。どっちみち色恋に罪はない」
??「たとえ合意ありでもレズビアンMtFがシス女性にチンポ突っ込んでも、そいつはMtFって言えるのか?」
黒井「おまえはそいつらの寝室に入ったのか?あとな、仕事で変態プレイをやりまくったワイからしたら、そんなもん全然標準プレイやわ。まあ、ワイは女には欲情せんけど。
セックスってのは身体全部使うもんさ。で、現状チンコはワイの一部。豊胸おっぱいと同じ。そんだけの話。あんたもそんなややこしいこというからモテんのやわ」